環軸椎脱臼・亜脱臼~概要と後遺障害獲得のポイント~

環軸椎脱臼・亜脱臼とは?

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 頚椎は正面から見ると7つの椎体(上から順にC1~7と表記されます。)の連なりであり、「C1、環椎」「C2、軸椎」は独特な形状をしています。
軸椎には歯突起があり、軸を中心に環軸が回転することで、私たちは頚部を左右に大きく回転させることができます。
軸椎以下の頚椎は、椎間板という軟骨の座布団で椎体間が連結されており、これにより、頚椎がしなるように動くことができるのです。   63-2 63-3 環軸関節の位置は、正面では、口のあたりに位置しています。 環椎の上部に頭蓋骨が乗っており、この関節の支えで頚部は左右に動くのです。
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左のXP側面像では環椎が前方向に脱臼しているのが確認できます。 右は、整復後、スクリューで固定されたものです。

環椎と軸椎とは、7つある頚椎の、最上部と2番目の椎体骨で、頭蓋骨と接しています。
交通事故では、後頭部方向から大きな外力が加わり、過屈曲が強制されることで、軸椎の歯突起が骨折し、環軸椎亜脱臼・脱臼が発症している場合が多いです。
転位が高度で環椎と軸椎を結合する関節が完全に外れてしまったものを環軸椎脱臼、外れかかった状態で4mm以上の転位があるものを環軸椎亜脱臼と呼んでいます。

転位のレベルによっては、脊柱管の中を走行する脊髄が圧迫・損傷することがあり、脊髄の圧迫症状として手足の運動麻痺、感覚麻痺、呼吸障害、膀胱・直腸障害、後頭神経の圧迫症状としては、後頚部痛、椎骨動脈の圧迫に伴う強い眩暈を発症し坐位ができなくなります。
環軸椎亜脱臼に対しては、保存療法として、ソフトカラー、フィラデルフィアカラーによる固定がなされていますが、脊髄症状を示す重症例では、オペは必至で、現在では、スクリュー固定が行われています。  

環軸椎脱臼・亜脱臼における後遺障害等級について

環軸椎脱臼・亜脱臼が生じた場合の後遺障害は、脊柱の変形障害、脊柱の運動障害、神経系統の機能障害の3方向から検証していくことになり、立証作業としては、非常に高度なものが要求されてきます。  

①脊柱の変形障害

環椎または軸椎の変形・固定により、次のいずれかに該当するものは、8級2号となります。

A 60°以上の回旋位となっているもの
B 50°以上の屈曲位または60°以上の伸展位となっているもの
C 側屈位となっており、XP等により、矯正位の頭蓋底部両端を結んだ線と軸椎下面との平行線が交わる角度が30°以上の斜位となっていることが確認できるもの

※ この内、AおよびBについては、軸椎以下の脊柱を可動させず、当該被害者にとっての自然な肢位で、
  回旋位または屈曲・伸展位の角度を測定します。

②脊柱の運動障害

頭蓋・上位頚椎間に著しい異常可動性が生じたものは、8級2号となります。  

③神経系統の機能障害

環軸椎の脱臼骨折で固定術が実施された背景には、脊髄損傷を最小限にする目的があります。
術後の被害者に、上・下肢の麻痺、強烈な痺れ、上・下肢の疼痛、排尿障害など、重篤な脊髄症状が残存していれば、神経系統の機能障害で等級の獲得を目指す必要があります。
障害の程度により、9級10号7級4号5級2号が選択されています。
なお、膀胱機能障害は、神経系統の機能障害とは別の障害として扱われ併合の対象となります。

後遺障害等級認定における立証では、後遺障害診断書以外に、「脊髄症状判定用」 の用紙を提出し、肩・肘機能、手指機能、下肢機能、上肢・下肢・体幹の知覚機能、膀胱機能、日常生活状況について、検査と結果の記載をお願いしなければなりません。
排尿障害は、ウロダイナミクス検査で立証していきます。  

まとめ

四ツ橋総合法律事務所では、事前に脊髄症状のチェックを行い、日常生活状況については、被害者の職業上の具体的な支障を記載した書面を主治医に提示し「脊髄症状判定用」の用紙への記載をお願いしています。

主治医に適切な脊髄症状に関する被害者の状況の記載をお願いしなければ、後遺障害等級を判断する者が等級認定に疑問を持つ可能性もあり、目指す等級の獲得はできないことが多いです。

とくに、整形外科では、4mm程度の亜脱臼はほとんど見落とされることが多く、立証は、脊椎・脊髄の専門医にお願いしなければなりません。

環軸椎・亜脱臼での後遺障害等級獲得をお考えの方は、是非、四ツ橋総合法律事務所にご相談ください。


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