肋骨多発骨折の重症例~外傷性血胸、フレイルチェスト、動揺胸郭~

外傷性血胸

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胸腔内の内圧は外気圧より低くなっており、外傷により、外から空気が入り込む、あるいは血液が貯留すると肺は虚脱・縮小し、強い呼吸障害を起こします。

空気が入り込むのが気胸、血液が貯留すると血胸、2つが合併していれば血気胸と呼ばれます。

交通事故では、骨折した肋骨が胸膜を突き破り、血気胸を発症することが一般的です。

胸部痛、呼吸困難、チアノーゼ、顔面蒼白、頻脈、四肢冷汗等の症状で大騒ぎになりますが、胸腔穿刺で空気を排除、腹腔ドレナージで血液を排出、胸壁創を縫合閉鎖すれば治療は完了します。

血気胸の治療後に肺が萎縮し、呼吸障害を残したときは、後遺障害の対象となりますが、事例は少ないと考えます。

フレイルチェスト

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  呼吸に伴う胸郭の動き
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 吸気            呼気

多発肋骨骨折のうち、

①連続する2本以上の肋骨がそれぞれ2カ所以上で骨折したとき

②胸骨骨折に両側肋軟骨骨折を合併するとき

胸郭全体との連続性を断たれ、正常の呼吸運動と逆の動き、すなわち吸気時に陥没、呼気時に突出するという奇異な呼吸を呈することがあります。これを、フレイルチェストと呼んでいます。

フレイルチェストは、胸部外傷の最も重症が症例であり、重い呼吸不全から死に至ることがあります。

フレイルチェストは、大きな外力が胸部に作用して発生するもので、交通外傷や高所からの墜落、あるいは、挟圧外傷=挟み込まれたことによる外傷により生じます。

胸部打撲後の胸痛、呼吸困難、血痰、皮膚が紫色になるチアノーゼ、皮下気腫などです。

呼吸運動を観察すると、シーソー呼吸=奇異呼吸がみられるほか、損傷部に手を当てると、肋骨骨折に伴う軋轢音を感じます。

胸腔内の合併損傷を診断する目的で、胸部の視診、触診、聴診、打診を行ったのち、血液検査、胸部単純X線撮影、CT検査などが行われます。

フレイルチェストの治療は、気管挿管または気管切開を行い、陽圧人工呼吸を2~3週間続けることにより、肋骨骨折部を内側から固定し、胸郭の整復と骨癒合を達成する人口呼吸療法が行われています。長期の人工呼吸管理では、肺の合併症が最大の問題となるため、人工呼吸器を使用せずオペによる固定も実施されています。

 フレイルチェストは、的確な治療が実施されれば、後遺障害を残すことは少ないようです。


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