頭部外傷の具体的事例~高次脳機能障害・症状別解説③~びまん性軸索損傷(diffuse axonal injury、DAI)

びまん性軸索損傷とは

びまん性軸索損傷では、相当に深刻な後遺障害が予想されます。

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上のMRI画像をジックリと検証してください。
頭頂部から頭蓋底に至る24枚のMRI画像の内の6枚目に映し出されたもので、前頭葉、両側頭葉に点在する黒点は、びまん性軸索損傷、脳表面の広範囲に広がる点状出血です。
これは、症状固定段階で、主治医にMRI T2スターの撮影を依頼したことで画像立証できたものです。

この画像をONISで加工、点状出血を矢印で示したものが下の画像です。

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頭部に回転性の外力が加わった場合、脳の神経細胞の線維つまり軸索が広範囲に断裂し、機能を失うと考えられています。
びまん性軸索損傷の存在そのものが、すなわち、高次脳機能障害といえるのです。

びまん性軸索損傷の症状

頭部外傷といえば、脳挫傷、急性硬膜下血腫、外傷性くも膜下出血が代表的であり重傷といえますが、局所性脳損傷では、挫滅した部分の脳の機能が失われるだけであり、重篤な後遺障害、認知障害を残すことは少ないといえます。

本件画像の被害者は、フルフェイスのヘルメットを装用しており、頭蓋骨骨折・脳挫傷はありません。しかし、上記の画像で認められる広範囲の点状出血に伴う軸索の損傷があり、遂行機能障害、失語、記憶、聴覚や嗅覚、言語理解、認知の領域で、脳は大部分の機能を喪失しており3級3号が認定されました。

びまん性軸索損傷の診断

びまん性軸索損傷では、受傷直後から意識を喪失しています。脳神経外科の臨床では、頭部外傷のうち、
受傷直後から6時間を超える意識消失が認められる場合、びまん性軸索損傷と定義、診断がなされることが多いといえます。

脳の表面に大きく広がる点状出血は、CTやMRIで捉えられないことが多く、通常は、明らかな脳組織の挫滅・脳挫傷や血腫が認められないものの、意識喪失の原因を脳の細胞レベルの損傷が広範囲に生じたためと推定して診断しているのです。

頭部MRIのDWI、SWIの撮影方法であれば、神経細胞の軸索の断裂に伴う微小な出血や浮腫=むくみを確認できますが、受傷後3日以内、早期の撮影に限られます。CTの精度では、異常が認められないことがほとんどです。

この場合でも、自賠責調査事務所は、等級認定の際、画像所見を求めています。症状固定段階のMRI撮影、T2スターで立証しなければなりません。ここは、重要な部分といえます。


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