鎖骨骨折~概要と後遺障害(8級6号、10級10号、12級5・6号)獲得のポイント~

鎖骨骨折について

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交通事故後の症状としてよくみられる鎖骨骨折として、遠位端骨折、肩鎖関節脱臼、胸鎖関節脱臼の3つの外傷について説明します。
自転車・バイクの運転手が交通事故に遭うことで転倒し、手・肘・肩などを打撲した際に、その衝撃が鎖骨に伝わり鎖骨骨折を発症することが多々あります。
四輪車を運転している場合、追突、出合い頭衝突、正面衝突によるシートベルトの圧迫で鎖骨が骨折することもあります。

鎖骨の横断面は、中央部から外側に向かって三角形の骨が薄く扁平していきます。
三角形から扁平に骨が移行する部位が鎖骨の耐性が弱い箇所であり、鎖骨骨折の多くが当該部位で発生しています。この部位は、より肩関節に近いところから遠位端骨折と呼ばれています。
その次に骨折が生じやすいのは、肩鎖関節部です。肩鎖靱帯が断裂することにより、肩鎖関節が脱臼し、鎖骨が上方に飛び上がります。

鎖骨骨折の治療方法

治療方法として手術が選択されることはあまりなく、固定による保存療法が選択されています。
胸を張り、肩をできる限り後上方に引くようにして、クラビクルバンドを装着・固定します。
成人の場合、4~6週間の固定で骨折部の骨癒合が得られることが多いといえます。  

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  クラビクルバンド

鎖骨骨折による後遺症

鎖骨骨折に伴い認められる可能性がある後遺障害には、体幹骨の変形による12級5号、肩関節の機能障害による8級6号、10級10号、12級6号があります。

1)体幹骨の変形 鎖骨は体幹骨であり、体幹骨の変形としては12級5号の該当性が問題となります。
裸体になった際、変形が確認できれば12級5号が認定されます。
鎖骨の変形により後遺障害が認められた場合、賠償額を決定するにあたっては骨折部に運動痛があるかどうかが重要なポイントになります。
体幹骨の変形による12級5号が認定される場合、骨折部の疼痛も周辺症状として含まれるため、疼痛の神経症状で12級13号が認定され併合11級となることはありません。
変形で12級5号が認定されても、運動痛が認められない場合、逸失利益は認定されません
運動痛が認められる場合には、12級13号の神経症状の場合と同様、10年程度の逸失利益喪失期間が認められる可能性があります
変形に伴う痛みは、鎖骨骨折部のCT、3D撮影で骨癒合状況を明らかにして立証していくことになります。
問題なく骨癒合が得られているにもかかわらず、痛みが生じることは通常考えにくいため、このような判断がなされる傾向があります。

2)肩関節の可動域制限 鎖骨の遠位端骨折部の変形により、肩関節の可動域に影響を与えることがあります。この場合には肩関節の機能障害として後遺障害が認められることがあります。
骨折部位の変形は、CT、3Dで立証していくことになります。
左右の差が4分の3以下となれば12級6号が認定され、1)で解説した変形による12級5号と併合され併合11級が認定されることになります。

部位

主要運動

参考運動

肩関節

屈曲

外転

内転

合計

伸展

外旋

内旋

正常値

180°

180°

0°

360°

50°

60°

80°

8級6号

20°

20°

0°

40°

   

10級10号

90°

90°

0°

180°

25°

30°

40°

12級6号

135°

135°

0°

270°

40°

45°

60°

  5-4 5-3

肩関節には複数の主要運動がありますが、機能障害については、屈曲と外転+内転のいずれか一方の可動域が、健側の2分の1以下に制限されているときは、肩関節の機能に著しい障害を残すものとして10級10号、同じく、4分の3以下に制限されているときは、肩関節の機能に障害を残すものとして12級6号が認定されています。
屈曲と外転+内転は別個に認定されていることに注意してください。    


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