傷害事故における慰謝料の支払い基準

この記事の監修弁護士

四ツ橋総合法律事務所 代表社員 植松 康太

交通事故後の後遺症でお悩みを抱えておられる方、不安を解消するためご遠慮なく当事務所にご相談ください。

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傷害事故にはいろいろな基準がある!

後遺障害のない傷害事故であっても、精神的損害という形で慰謝料請求を行うことが可能です。 今回は、傷害事故の損害賠償支払いに直結する、4つの基準について詳しく解説していきます。

傷害事故による慰謝料請求とは?

人身・傷害事故が起こった場合は、基本的には車の損傷などの財産的な損害やケガなどが生じなくても、「事故被害に遭った精神的損害」という形で賠償を請求することができます。 しかし、そんな精神的損害には個人差だけでなく、「目に見えない」という難点もあります。 また、人の内面に関わる精神的損害は、個人が客観的に判定することも難しいと考えて良いでしょう。 だからこそ平等な基準で慰謝料を支払うために、自賠責や各任意保険などで、それぞれの判断基準を設けているのです。

自賠責保険の支払い基準とは?

自賠責保険では、「1日あたり4,200円」という金額に下記の①・②のいずれか少ない方の日数を乗算して慰謝料金額を算出します。 ①治療期間(原則的には事故日から完治もしくは症状固定日まで) ②(実際に入院した日数+実際に通院した日数)×2 なお、自賠責による支払総額の限度は120万円となっています。

任意保険の交渉基準とは?

かつては日本損害保険協会によって統一基準が設けられていた任意保険ですが、現在は完全自由化によって各社がオリジナルの支払基準を持っている形となります。 自賠責保険と比べれば高額である任意保険ですが、裁判基準と比べればかなり低いというのが実情です。

ADRにおける支払い基準

交通事故の損害賠償請求は、ADRと呼ばれる裁判外紛争解決機関を利用することで、示談交渉などをスムーズに進めることもできます。 ADRは示談のあっせんや合意に向けたサポートをする役割が中心となりますので、精神的慰謝料に関する基準は設けていません。 しかし、過去の事例を見ていると、裁判基準の8割ほどの高い金額で合意に至るケースがほとんどと言われています。

弁護士による基準

裁判によって慰謝料の金額を決める際には、日弁連交通事故センターの「交通事故損害額算定基準」や、日弁連交通事故相談センター東京支部による「損害賠償算定基準」の記載を使われることが一般的です。 大阪地裁においては、大阪弁護士会による損害賠償算定基準が用いられています。 これらは自賠責保険などと同じように通院日数や入院日数に応じて、慰謝料の金額を算出する仕組みです。 裁判によって損害賠償金額を算定してもらうと、自賠責や任意保険、ADRよりも高い金額で請求できるケースがほとんどとなっています。 慰謝料金額に納得できない場合は、傷害事故の対応を得意としている四ツ橋総合法律事務所に是非ご相談ください。

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