交通事故で検察庁から呼び出される際の注意点
2016/11/30
この記事の監修弁護士
四ツ橋総合法律事務所 代表社員 植松 康太
交通事故後の後遺症でお悩みを抱えておられる方、不安を解消するためご遠慮なく当事務所にご相談ください。
検察からの呼び出しは刑事処分に関わるもの
人身事故を起こした加害者が検察庁から呼び出されるのは、「刑事処分に該当する時のみ」になります。交通事故加害者への処分は3つあり、免許点数関連のペナルティとなる「行政処分」や、被害者への慰謝料や損害賠償支払いを行なう「民事責任」については、基本的に検察庁が関与することはありません。これに対して刑事罰の場合は、罰金刑もしくは起訴による刑務所での服役といった結果になることもあるため、この処分の相当性を正しく判断するために検察庁からの呼び出しが行われることとなります。交通事故における起訴率とは?
人身事故による犯罪処罰の審理を裁判所に求める起訴は、統計上、交通事故全般で見ると10~20%の確率で行なわれています。不運ともいえる状況で生じた過失致死傷罪に該当するような交通事故の場合は、その80%以上が起訴されない実情があるようです。これに対して飲酒運転、危険ドラッグなどの使用、意図的な信号無視といった大変悪質なドライバーに課せられる危険運転致死傷罪の場合は、その90%以上が起訴される実情となっています。検察庁からの呼び出しに関するポイントと流れとは?
交通事故を起こした場合は、まず警察署での取り調べが行われます。そこで話した事故当時の状況に対して人身事故にあたると判断された場合は、取り調べによってまとめられた事故の資料が検察庁に送致され、検察官が被疑者から改めて話をきく「検察官による取調べ」に進んでいきます。この場合の留意点としては、被疑者が黙秘をするメリットは「ほとんどないこと」です。交通事故の場合は殺人事件などと異なり、検察庁に送致されたタイミングで事故状況に関する実況見分調書など「客観的な証拠資料がある程度揃っている」状況です。こういった状況を知らずに黙秘すると、「反省や誠意がない」とみなされて寛大な処分に繋がらなくなることもあるため、注意が必要です。検察庁から呼び出されても寛大な処分になることもある
被害者との示談交渉や損害賠償金の支払いが済んでいる場合は、「被害者の心情」を考慮して、起訴猶予処分や不起訴処分になるケースも多く見受けられます。また被害者側からの嘆願書を手に入れられるのであれば刑事処分を軽くする方向に認定し得る効力がありますので、被害者との示談が成立するのであれば併せて作成をお願いしてみても良いでしょう。刑事処分、行政処分、民事責任の3つが課せられる人身事故の場合であっても、示談交渉は欠かせない要素となりますので、少しでも難航している場合は交通事故トラブルに詳しい弁護士にサポートを仰ぐようにしてください。交通事故
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