交通事故における無償同乗(好意同乗)減額とは?
2017/03/22
この記事の監修弁護士
四ツ橋総合法律事務所 代表社員 植松 康太
交通事故後の後遺症でお悩みを抱えておられる方、不安を解消するためご遠慮なく当事務所にご相談ください。
交通事故における無償同乗(好意同乗)減額とは?
マイカーを運転していた人が道路上を歩いている友人を見かけて、好意かつ無償で同乗させたと仮定します。
このタイミングで交通事故を起こした場合に生じる損害賠償上の問題を好意同乗(無償同乗)減額と呼びます。
今回は、一般の不法行為責任にもとづく損害賠償請求で争いとなることがある好意同乗減額について詳しく解説していきます。
好意で同乗させてもらった車で事故!損害賠償請求はできるものなの?
まずマイカーを運転している人をAさん、同乗している人をBさんと仮定します。
ドライバーであるAさんが交通事故を起こした場合、同乗者のBさんはAさんに対して運行供用者責任にもとづく損害賠償請求ができます。
また同乗者のBさんが共同運行供用者である場合についても、一般不法行為責任にもとづき損害賠償請求をすることが可能です。
好意同乗減額の考え方とは?
好意同乗や無償同乗の減額は、「Bさんを車に乗せたAさんに親切心がある」という日本人的な考え方によって生じる問題です。
古い裁判例では、無償同乗や好意同乗によって被害に遭った交通事故というだけで損害賠償請求の減額が認められたケースも多く存在していました。
しかしながら現在では、同乗者のBさんに何らかの帰責性がある場合に限って、好意同乗減額を認めるという考え方が一般的になりつつあります。
好意同乗(無償同乗)の減額はどんな形で行なわれる?
具体的な裁判例を確認してみると、過失相殺の規定を類推適用したうえで、交通事故の損害拡大に関する同乗者の帰責性を割合的に把握し、それらの数値を損害賠償請求額に乗じて計算していることがわかります。
前述の例でBさんに運転を妨害した原因があり、その割合が20%と認められた場合、損害賠償額もしくは慰謝料の20%が減額される可能性があります。
友人の好意による同乗で交通事故に巻き込まれた場合は?
友人の好意をきっかけとする交通事故に巻き込まれた場合、その原因がドライバーにあったとしても損害賠償請求をしづらい実情があります。
また現在でもわずかに好意同乗減額の考え方は残っているとも考えられますので、交通事故被害によるトラブルをこれ以上増大させないためにも、早めに当事務所にご相談ください。
交通事故
に強い