死亡事故と慰謝料請求
この記事の監修弁護士
四ツ橋総合法律事務所 代表社員 植松 康太
交通事故後の後遺症でお悩みを抱えておられる方、不安を解消するためご遠慮なく当事務所にご相談ください。
死亡事故が起きた時、遺族が行うべきこととは?
大事な家族が交通死亡事故で亡くなってしまった時、残された遺族が行うべきことは、加害者への損害賠償請求です。
悲惨な事故によって大事な人を失った場合、「もう当時のことは思い出したくない」と感じる方々も少なくない実態があります。
しかし例えば、一家の大黒柱が亡くなったことにより、家族の中に働き手がいなくなった場合は、その生命の値段を相手方に請求することが可能となるのです。
こうした形で行われる死亡事故の損害賠償請求には、相手方が低い金額を提示してくるという大きな問題があると言われています。
また相手方の保険会社についても、慰謝料などをなるべく安く抑えたいという想いがありますので、こうした状況に巻き込まれない対応も必要になると言えるでしょう。
今回は、家族を死亡事故で失った皆さんと一緒に、納得の賠償額を得るために行うべきポイントをチェックしていきます。
死亡事故の示談交渉はいつから始めれば良い?
交通死亡事故の損害賠償請求は、死後の手続きが全て完了した四十九日過ぎぐらいから行われるのが一般的です。
ちなみに損害賠償請求には、3年という時効がありますので、どんなに悲しい想いによる行動を起こせない精神状態であっても、この期間内に交渉を終える必要があると言えるでしょう。
死亡事故で損害賠償請求できるのは誰?
死亡事故による慰謝料請求ができるのは、被害者の相続人のみです。
例えば、亡くなった男性に配偶者がいた場合は、その人が損害賠償請求権を持つ形となります。
これに対して配偶者が既に亡くなっている場合は、被害者の子、親、兄弟姉妹の順で損害賠償請求権を相続していく形です。
すぐに示談交渉を終えるのはNG
損害賠償請求を行う遺族の中には、「加害者と関わり合いを持ちたくない」などの理由で、早く示談交渉を済ませてしまいたいと考える方々も大変多く見受けられます。
しかし加害者の量刑を軽くしないためには、刑事裁判が行われる前に示談交渉を終えることは、基本的にNGと考えられているのです。
罰金刑の場合は裁判が開かれないこともあるようですが、それでも大事な人を奪った加害者の被害弁償が終わったことにしないためにも、示談交渉を行うタイミングには注意が必要だと言えそうです。
過失相殺における証拠集めと注意点
亡くなった被害者側にも過失がある場合、過失割合にもとづいて損害賠償額が減額されてしまうため、注意が必要です。
例えば、1億円の損害賠償請求をしている交通事故で過失割合が10%違ってくると、1,000万円もの慰謝料が入ってこなくなってしまいます。
過失相殺は基本的に、加害者と被害者の証言をもとに作成される形となっていますので、被害者本人が既に亡くなってしまっている場合は、請求権を持つご家族が証拠集めをする必要があると言えそうです。
保険会社が提示する賠償額が低い理由
死亡事故における慰謝料の計算をする時には、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準のいずれかを使って算出するのが一般的となっています。
加害者の代わりに示談交渉をする保険会社は、2番目に金額の安い任意保険基準で賠償額の計算をしてきます。
これに対して裁判で使われる弁護士基準の場合は、それぞれの保険会社で設定する任意保険基準と比べて遥かに高い金額で慰謝料請求することが可能となっているのです。
納得の慰謝料を請求するためには?
大事な人を失った命の値段を適正な金額で受け取るためには、交通事故問題に詳しい弁護士に示談交渉を進めてもらうのが理想となります。
法律の専門家に示談交渉をお願いすれば、相手方の提示条件に無理にサインをすることもなくなります。
また死亡事故によって大事な家族を亡くした方々は、保険会社の提案に対して冷静な判断ができない傾向もありますので、交通事故トラブルのスペシャリストとも言える弁護士のお世話になった方が問題の解消もスムーズになると言えそうです。
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