交通事故紛争処理センターの特徴とメリット・デメリットとは?

この記事の監修弁護士

四ツ橋総合法律事務所 代表社員 植松 康太

交通事故後の後遺症でお悩みを抱えておられる方、不安を解消するためご遠慮なく当事務所にご相談ください。

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被害者が自分自身では解決できない自動車事故のトラブルに巻き込まれた時、弁護士と並んで人気が高いのが公益財団法人交通事故紛争処理センターへの相談となっています。

さまざまな機能を持つ交通事故紛争処理センターは、一般の皆さんにとって具体的な業務内容がわかりにくい傾向もあります。

また場合によっては依頼できないトラブルもいくつか存在しますので、このセンターの利用を考えている人は、そのルールやシステムについて頭に入れておく必要があると言えるでしょう。

今回は、交通事故紛争処理センターを利用するメリットやデメリット、依頼ができない時の対処方法などを徹底解説していきます。

交通事故紛争処理センターとは何ですか?

交通事故紛争処理センターとは、交通事故トラブルの示談交渉における紛争を早期解決に導くために、無料で交渉サポートを行う公益財団法人です。

このセンターの相談窓口は、東京・大阪・札幌・名古屋、仙台といった大都市を中心に全国11ヶ所に開設されています。

《交通事故紛争処理センターの利用実績》

1974年に発足したこのセンターでは、累計22万3,000件もの相談受付を行っています。

およそ14万9,000件もの示談成立実績のある交通事故紛争処理センターでは、和解あっ旋などによって終了した事案への割合が非常に高くなっています。

こうした形で古い歴史と問題解決実績の豊富な交通事故紛争処理センターは、初めてのトラブルに不安を抱えた人でも信頼できる位置付けと捉えて良さそうです。

《公益財団法人への移行は2012年》

このセンターが公益財団法人になったのは、2012年4月のことです。

センター内で取り扱う審査の紛争および和解あっ旋の紛争解決業務や、自動車事故に関する法律相談業務を公益目的事業と位置づけるこのセンターでは、更に多くの方々が利用できるよう、利便性の向上や相談窓口の拡充などに取り組んでいます。

また近年では広報活動にも力を入れていますので、インターネットやPRカード、リーフレットを通して、このセンターの位置付けに気付かされる機会も増えていると言えそうです。

交通事故紛争処理センターで行なっている業務とは?

このセンターでは、大きく分けて下記4種類の業務を取り扱っています。

・交通事故トラブルの示談に関する相談
・示談の合意(和解)のあっ旋
・弁護士の紹介
・審査の手続き

交通事故紛争処理センターの利用メリット

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実際に交通事故紛争処理センターを利用した方々の口コミなどを見ていくと、この機関には下記の3つを中心としたメリットがあることに気付かされます。

《利用料がかからない》

このセンターの大きな魅力は、和解のあっ旋や審査手続きなどを無料で行ってもらえることです。

しかし加害者側に通知を出す場合の通信費や、センターに相談に出向く時の交通費などは、依頼者が自分で支払うシステムとなっています。

こうしたシステムで運営するこのセンター利用時には、前述のような必要最低限の費用がかかる形となりますが、それでも和解のサポートにかかるお金を安く抑えられるといった意味では大変利用のメリットは大きいと言えそうです。

《示談交渉がスムーズに進められる》

慰謝料や損害賠償請求がなかなか上手くいかない時、このセンターの弁護士に間に入ってもらうと、示談交渉が進展しやすくなります。

また加害者の加入している保険会社側では、交通事故紛争処理センターの開催する審査会の再提案を尊重しなければなりませんので、被害者が自分で相手方の担当者とやり取りをするより、遥かに良い結果に繋がりやすいと言えそうです。

《公正かつ公平、信頼性の高い機関》

交通事故紛争の早期解決を目的とするこのセンターには、裁判と比べて早く問題解決が期待できるメリットもあります。

また交通事故紛争処理センターの利用により、裁判基準で損害賠償金を得られるケースもあると言われていますので、信頼性だけでなく迅速な対応における具体的な内容といった意味でも、信頼できる要素は非常に大きいと言えそうです。

交通事故紛争処理センターの利用デメリット

ここまで見ると自動車事故被害者にとってメリットだらけとも言える交通事故紛争処理センターにも、やはりいくつかの難点が存在するようです。

《良好な結果が得られない場合もある》

交通事故紛争処理センターを利用する上で注意すべきなのは、ここから紹介された弁護士は公正中立な対応をするということです。

この目的をきちんと把握している人は、交通事故紛争処理センターの弁護士から提案される内容に対して比較的スムーズに納得できる傾向があるようです。

これに対して「弁護士=自分の味方になってくれるもの」という固定概念がある場合は、公正中立な対応により良好な結果に繋がらないこともあると言えるでしょう。

ちなみにこのセンターでは依頼者が自分で弁護士選びをすることもできませんので、利用時には注意をしてください。

《被害者自身が面談に出向く必要がある》

このセンターでの相談やあっ旋は、被害者自身が出席するのが原則となります。

また申請に必要となる診療報酬明細書や診断書といった書類の取り付けも、被害者が自ら行う必要があるため、注意が必要です。

例えば、全国11ヶ所設けられている相談室の近くに住んでいて、平日面談に対応できる余裕のある人にとっては、このセンターのシステムが苦になりにくいかもしれません。

これに対して平日は仕事をしているサラリーマンなどの場合は、申請書類の取り付けや相談のために会社を休まなければならないといった部分で、交通事故紛争処理センターの利用が難しくなる実態があるようです。

《利用期間が限られている》

このセンターの利用期間は、症状固定後もしくは後遺障害等級認定手続きが済んでから可能となる仕組みとなっています。

損害賠償金額の確定できない段階での利用はできないシステムとなっていますので、交通事故直後から相談をしたいといった人には、満足できる対応が受けられない可能性が高いと言えそうです。

交通事故紛争処理センターには、依頼を受け付けられないケースもある

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一般の弁護士事務所とは全く異なる交通事故紛争処理センターには、依頼の受付ができる業務が限られている実態もあります。

まずこのセンターで対応できるのは、自動車事故だけとなります。

そのため、自転車同士の交通事故や、自転車の加害者と歩行者を被害者とする事故の場合は、基本的にこのセンターでの受付はできません。

また被害者と加害者の紛争を解決する目的となる交通事故紛争処理センターでは、被害者が自分で加入している保険会社とのトラブルは、後遺障害等級認定に納得できないといった事例にも対応できない実態があるため、問題の相手方が加害者以外の場合は注意が必要です。

この他に、既に調停や訴訟の申立てを行っていたり、他の紛争解決機関から手続きが進んでいる場合においても、このセンターでの受付はできない形となります。

加害者が同意した場合だけ受け付けてくれるケースもある

交通事故紛争処理センターでスムーズな受付が難しい事例の中には、加害者側で同意した時のみ対応可能となる下記のケースも存在します。

・加害者が任意保険に入っていなかった
・加害者が加入する任意保険に直接請求権の規定が存在しない
・加害者の加入保険の会社が、外国損害保険協会もしくは日本損害保険協会に加入していない
・加害者の任意自動車共済が、交協連、JA共済連、全労済、全自共、日火連以外の場合

上記のケースに該当する際には、まず加害者側に連絡をした上で、交通事故紛争処理センターの利用をして良いという同意を取り付ける必要があると言えるでしょう。

交通事故紛争処理センター側で依頼を受け付けてくれない時には?

ここまで紹介した事例に該当することにより、交通事故紛争処理センターの利用が難しいもしくは、デメリットが多いといった場合は、弁護士事務所に直接問い合わせをする方法がおすすめとなります。

《交通事故トラブルに強い弁護士を探すのがおすすめ》

自動車事故に関する問題を解決するためには、交通事故トラブルの解決実績が豊富な弁護士に相談するのがいちばんです。

こうした専門家に依頼をすれば、過去の経験からより適切なアドバイスをもらえます。

また過去に何度も交通事故トラブルの解決実績がある弁護士は対応もスムーズですので、なるべく早く慰謝料などを受け取りたいと考えている皆さんにもおすすめ度は非常に高いと言えそうです。

《交通事故専門弁護士のお世話になる意外なメリット》

弁護士に示談交渉をお願いすると、交通事故の被害者はケガの治療や日常生活に集中できる形となります。

また示談交渉を含めた交通事故問題の解決には、非常に難しい専門用語がたくさんでてきますので、こうした知識を習得せずに済むといった意味でも弁護士のお世話になるメリットは非常に大きいと言えそうです。

《交通事故トラブルに強い弁護士を自分で探す方法はある?》

自分の抱えた交通事故問題を得意とする法律の専門家を見つける時には、当サイトのような便利な比較ランキングを活用してみてください。

またこのカテゴリの対応実績が豊富な弁護士は、事務所のサイト内に交通事故に関する記事などを投稿していますので、時間のある人はランキングと合わせてチェックをしてみても良いでしょう。


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